エアロスミスとヤングブラッドのコラボEP、マット・ソーラムが参加した経緯を語る

エアロスミス(Aerosmith)とヤングブラッド(YUNGBLUD)のコラボレーションEP『One More Time』では、ガンズ・アンド・ローゼズやヴェルヴェット・リヴォルヴァーなどで知られるマット・ソーラム(Matt Sorum)がドラムを担当しました。ソーラムはポッドキャスト『Appetite For Distortion』の新しいインタビューの中で、EPに参加した経緯について語っています。

「InstagramにヤングブラッドからのDM(ダイレクトメッセージ)が届いたんだ。俺はその時、車で帰っているところだった。ラスベガスで(ZZトップの)ビリー・ギボンズのライヴを終え、モハーベ砂漠を4時間かけて走っていたんだ…“ヤングブラッド?”って思って見たら、彼が“やあ、元気?”って感じで。以前、コーチェラのインタースコープのパーティーで一度だけ会ったことがあってね。で、彼が“この曲でドラム叩いてくれない?”って言うから、俺は“おお、いいね。いつ?”って返した。そしたら彼が“明日来られる?”って。だから、俺はそのままL.A.に向かったんだ。ちょうどその時、スティーヴン(タイラー)から電話がかかってきて、“おい、お前来るんだろ”って言われたんだけど、俺は“え?”って。あの時点では(エアロスミスとヤングブラッドが一緒にレコーディングしてるなんて)全然知らなかったんだ。それからジョー(ペリー)とか他のみんなもいたけど。基本的に、俺が参加したセッションにはジョー、スティーヴン、ヤングブラッドの3人で、ヴォーカルを録ってたよ。

俺が最初に録音したのは“My Only Angel”。最初のシングル曲だ。超ソリッドでストレートなロック・ビートで……。俺はノースハリウッド(カリフォルニア)のNRG(レコーディング・スタジオ)に行った。ヴェルヴェット・リヴォルヴァーを録った場所だよ。俺のお気に入りのドラム・ルームなんだ。彼らがどこでドラムを録りたいかって聞いてきたから、俺は“NRG”って即答した。リンキン・パークもやったし、ヴェルヴェット・リヴォルヴァーもやったし、大物ロックのアルバムをたくさん録ったあのスタジオだ。最高のドラム・ルームがある。俺のドラム・テックのマイク・ファサーノが全部セッティングしてくれて、スタジオに入ったら、スティーヴンも、ジョーも、ヤングブラッドもいた。俺は“最高じゃん。みんな何やってんの?”って聞いたら“コラボしてるんだ”って。俺はスティーヴンを見て“最高だな”って思ったよ。それからEPに収録されるバラードを録った。俺的には最高の曲だ。キラー・トラックだよ。それから(エアロスミスの)“Back In The Saddle”を再解釈したヴァージョンも録った。基本的にはオリジナル・トラックに新しいドラムとベース、そしてヤングブラッドのヴォーカルを加えたものだ。俺はスティーヴンとジョーに“これ、君ら的にアリ?”って聞いたら、二人とも“ああ、気に入ってるよ”って言ってたよ。

(ヤングブラッドのことを)“この若造はどうなんだ?”って言う人もいるだろうけど、俺の意見としては(この2組のコラボレーションは)完璧にハマっていると思う。世界は変わるんだよ。両者にとっても、世界にとっても素晴らしいことだと思う。俺の見解では、これは俺たちがやってきたことの現代的な解釈であり、そうでなきゃいけない。仕上がりも気に入ってるよ。本当にクールだと思うし、それに関われて嬉しかった。今も関わり続けている。

(インタビュアー:EPの曲をライヴで披露する可能性はありますか? その時、ソーラムがドラムを演奏する可能性はありますか?)

それについてはコメントできない。俺が決める立場じゃないから。ただ、彼らと一緒にいられて幸せだよ。呼んでもらって、自分のやるべきことをやらせてくれただけでも、本当に光栄に思っている。

俺は(エアロスミスで)育ってきたし、これまで本当に多くの素晴らしいバンドにいた。彼から電話がかかってきたり、スティーヴンから電話が来たりすると、時々、自分の頬を叩いて現実かどうか確かめたくなることがあるよ。今でもちょっと変な気分になる。でも最高に素晴らしいことだ。俺にとってはロックンロールのバケットリストみたいなものさ。俺のキャリアは本当に信じられないくらい充実している。復帰してまたこの世界に戻ると、ああいう最高峰のレベルにとどまれているって感じられるのも本当に嬉しい。必死に仕事を探し回る必要もなく、ヤングブラッドとのプロジェクトに参加できるという素晴らしいポジションに身を置けた。パーティーに招待されたんだ。招待されるのは気分がいい――本当にいい気分だ。ロックンロールとコラボレーション、それにあの部屋にいたときに感じたあの感覚――ワクワクするよ。みんなにもあの高揚感、若々しい感覚があった。スティーヴンを見たら彼は燃えてたし、ジョーも“さあ行こうぜ”って感じだった。俺たちはまだそれを持ってる。今でも心の中に20歳の自分がいる。そいつがこう言ってるんだ――“よし、行こうぜ。ロックしようぜ”って」

▼ One More Time (Aerosmith & YUNGBLUD)

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