トム・ズータウ、初めてアクセル・ローズのライヴ・パフォーマンスを観た時のことを振り返る

1986年にガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)と契約を交わした敏腕A&Rのトム・ズータウ。初めてアクセル・ローズ(Axl Rose)のライヴ・パフォーマンスを観た時のことを振り返り、「こいつは“世界最大のロックスター・シンガーになる”と思った」と話しています。

トム・ズータウは、エレクトラ在職時にモトリー・クルーに可能性を見出し、彼らと契約を交わして偉大なバンドになる道を手助けしました。その数年後、彼はガンズを嗅ぎつけます。彼がガンズと最初に接触したのは、ロサンゼルスの路上で、印象的なポスターが彼の目に留まったという。ポッドキャスト『X5 Podcast』の最近のインタビューの中で契約の経緯について話しています。

「サンセット・ストリップを車で走っていたら、フェアファックスとサンセット大通りに貼ってあったポスターに目が留まった。バラが描かれた2丁のピストルで、スラッシュが描いたものだった。スラッシュは素晴らしいアーティストで絵描きなんだ。僕はジープを止めて、そのポスターを柱から引き剥がした。ゲフィンの自分のオフィスに着くと、アシスタントにそれを渡して、“このバンドがいつどこで演奏するのか調べてくれ、見に行かないと”と言った。その時点で、僕はすでにモトリーとドッケンと契約していたし、メタリカをエレクトラに引き入れていた」

ガンズはロキシー・シアターで演奏していましたが、彼らはオープニング・アクトであったため、ズータウが到着した頃には、すでにステージを去っていました。しかし、ズータウトは、誰かがアクセル・ローズがこの日に出演する別のバンド、シャーク・アイランドのライヴに出るつもりだと言っていたため、そのまま会場に残ることにしました。

「それから、アクセルが演奏するために出てきて、蛇のようにステージの上を這って歩いていた。カヴァー曲だと思うけれど、それは僕が知っているものではなかった」

その1回のパフォーマンスで、アクセル・ローズはフロントマンが真に偉大であるための条件をすべて満たしていたとズータウは言っています。ズータウは、ザ・ドアーズのマネージャーだったダニー・シュガーマンが語ったジム・モリソンを例にこう話しています。

「彼(シュガーマン)はジム・モリソンがどんな人物であったかを説明してくれて、そして、彼は僕にこう言ってきた。挑んでみろとね。“もし、ステージにいるとき、動物的な魅力、力強さを持っていて、蛇のように這うような人がいたら……(声をかけるべきだ)”。他にもたくさんの基準はあるよ。アクセル・ローズがシャーク・アイランドとカヴァー曲をやった時、ダニー・シュガーマンが教えてくれた基準をすべて満たしていた。そして、僕はこう思ったんだ。“こいつは世界最大のロックスター・シンガーになる”とね」

この時、ズータウはガンズの他のメンバーをまだ観ていませんでした。「もし彼のバンドがダメだったら、彼を中心に新しいバンドを組もう」とも思ったそうですが、約1週間後にトルバドールでガンズのライヴを観た時、彼は同じように感銘を受けたという。

「僕はアクセルに“そのライヴには行くよ。早めに行くから、ライヴの前に君たちの演奏を聴かせてほしい。2、3曲しかいられないけど”と言った。知っておくべきことはすでに知っていたからね。もし彼のバンドがダメだったら、僕は彼を中心に新しいバンドを組もうと思っていた。

トルバドールに行くと、彼らは“Welcome to the Jungle”と“Night Train”、そして“Paradise City”の半分くらいを演奏してくれた。今までのライヴの中で一番うるさかった…。耳が痛くなるほどの大音量だった。スラッシュがこの曲を書いて、アクセルがそれを書いて、ダフ(マッケイガン)があの曲を書いて、イジー(ストラドリン)が別の曲を書いて……。僕は“まじかよ。クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングみたいだ”と思ったよ。

そして、僕はこう思った、“やるべきことはすべて分かっている。このバンドと契約するんだ”」


The Man Who Discovered Guns N’ Roses & Motley Crue – Tom Zutaut – X5 Podcast #71

amass.jp