ダフ・マッケイガン「僕の人生を変えた8曲」

ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)のダフ・マッケイガン(Duff McKagan)は「僕の人生を変えた8曲」を発表。英Metal Hammer誌企画

■Sex Pistols / Bodies (Never Mind The Bollocks, 1977)
「子供の頃、新聞配達と芝刈りでお金を稼いでいたんだけど、そのお金で初めて買ったレコードが、キッスの『Alive』とパット・トラヴァースの『Puttin’ It Straight』だったんだ。キッスのレコードでスリーコードのロックに耳を傾けるようになり、その後、4歳ほど年上でバンド活動をしていた知り合いのカッコイイ女の子が、セックス・ピストルズを教えてくれた。スティーヴ・ジョーンズのギターの音は今まで聴いたことのないようなもので、ポール・クックのドラムは演奏の仕方を教えてくれた。これは、兄弟姉妹から受け継いだバンドではなく、自分自身のバンドになるかもしれないとすぐに気がついた。“Bodies”はまったく古びていない」

■The Heartbreakers / Pirate Love (L.A.M.F., 1977)
「The Young Fresh Fellowsというバンドをやっていて、後にR.E.M.に参加したスコット・マッコーイは、地元のレコード店の店員で、僕たちの心を揺さぶるようなものを知っていた。これも彼のおすすめの一枚だったかもしれない。1985年頃のガンズ・アンド・ローゼズの写真を見ると、少なくとも僕の服装はハートブレイカーズのアルバム・ジャケットからそのまま引用したものだった。特に“Pirate Love”は、あのスリンキーなドラムビートと生々しいギターが印象的だった。僕の初期のバンドは、ハートブレイカーズを直接コピーしたわけではないけど、僕たちの演奏方法や見た目に影響を与えているよ」

■The Stooges / Gimme Some Skin (B-side, I Got A Right, 1977)
「僕は少し逆で、ピストルズとハートブレイカーズの後、ストゥージズを発見した。14歳のときに買った“I Got A Right”と“Gimme Some Skin”のシングルは今でもどこかに残っているよ。“Gimme Some Skin”は最もハードコアでアグレッシブな曲だと思う。ロックンロールの演奏方法を学ぶことができた。シアトルでは雨がよく降っていたので、みんなガレージで音楽を演奏していた。誰もがストゥージズやソニックスを演奏して学んでいた。というのも、誰もが母親や父親、姉がソニックスの最初のレコードを家に持っていたから。1990年の『Brick By Brick』でイギーと共演したとき、ソニックスの話をしたら、彼は“あれは最初の本物のガレージ・ロック・バンドで、ストゥージズに影響を与えたバンドだ”と言っていたよ」

■Led Zeppelin / Immigrant Song (Led Zeppelin III, 1970)
「僕には年上のきょうだいがいたので、音楽を本格的に知る前に家でレッド・ツェッペリンやビートルズ、ジェイムス・ギャングやスライ&ザ・ファミリー・ストーンを聴いていた。子供の頃、“Immigrant Song”の演奏は想像を絶するもので、自分にはあんな演奏はできないと思っていたけど、冒頭のロバート・プラントの素晴らしいスクリームは一緒に歌えた。““Immigrant Song”で『Led Zeppelin III』を知り、1977年にシアトルのキング・ドームでツェッペリンを見たときには、彼らの素晴らしさにとても驚いたよ」

■The Damned / New Rose (Damned Damned Damned, 1977)
「これはまさに無謀としか言いようがない。ザ・ダムドの最初の数枚のレコードは、僕の心を揺さぶった。このアルバムの曲はどれも最高で、後にガンズ・アンド・ローゼズでもカヴァーした“New Rose”は、ラット・スキャビーズのドラム演奏とブライアン・ジェイムスのギターに惹かれたんだ。ある授賞式でラット・スキャビーズの隣に座ったことがあるんだけど、彼は世界で一番面白い人なんだ。彼はステージに上がってきた人たちの実況解説をしてくれて、そのおかげで一晩中楽しめた」

■Motorhead / Ace Of Spades (Ace Of Spades, 1980)
「僕はシアトルのパンカーで、AC/DCやチープ・トリック、スウィートやモントローズなど、ロックなものなら何でも聴いていた。でも、“Ace Of Spades”が7インチで発売されたとき、“なんてこった!”と思った。全く新しい方向性があることを教えてくれた。この曲を聴いて軌道修正しなかったロッカーはいないと思う。
僕のバンドLoadedはモーターヘッドと一緒にヨーロッパをツアーしたんだけど、毎晩ステージで一緒にギターを弾くことができて、それは素晴らしかったよ。レミーは神のような存在だ。
ロンドンの授賞式で、超ホットな妻のスーザンと一緒にいたときのことを覚えている。彼女は、上にコートを着なければならないほど露出度の高いドレスを着ていた。でも、そこにはレミーがいて、僕は“ハニー、レミーに君のドレスを見せてあげよう”と言った。彼だけが彼女の姿を完全に見ることができた。だって、彼はレミーなんだよ、ゴッドファーザーに敬意を払わなければならないからね」

■Prince/ Something In The Water (Does Not Compute) (1999, 1982)
「このレコードは僕にとって大きなものだった。当時、僕はまだシアトルに住んでいて、ヘロインのせいでガールフレンドやルームメイト、バンドのメンバーなど、すべてが崩壊していたので、このレコードは僕にとって逃げ場だった。
誰にでも“人生を救ってくれた”1枚のレコードがあると思うけど、『1999』は、ミュージシャンになりたければシアトルを出なければならないと気づかせてくれ、その勇気を与えてくれた。
Use Your Illusionツアー中、休日の夜にドイツでプリンスを見に行ったことがあるんだけど、そのとき警備員が“プリンスが挨拶をしたいそうです”と言った、その瞬間、自分があまりにも酔っぱらっていて、文字通り言葉が出てこないことに気づいた。彼はとても親切だったけど、僕は混乱していた。でも何年か後にツアープログラムの中で、僕が彼について書いたものを彼が使っていたので、彼が僕の存在を知っていたという事実はクールだった」

■Ice-T / 6 In The Mornin’ (Rhyme Pays, 1987)
「1982年頃、シアトルで初めてのラップショーを見に行った。グランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイヴだったんだけど、めちゃくちゃかっこよかった。Ice-Tの『Power』というアルバムは、『Appetite…』を作っている頃に発売されて、当時のサウンドトラックのひとつだったんだ。その前に発売された『6 In The Mornin’』は、素晴らしいストーリーテリングだよ。最近では、ケンドリック・ラマーやチャイルディッシュ・ガンビーノも好きだけど、ヒップホップは僕がフォローしていない方向に進んでいるので、僕はO.G.のものにこだわることが多いね」

詳細は以下のURLのページでご覧になれます。
https://www.loudersound.com/features/duff-mckagan-8-songs-that-changed-my-life

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