ダフ、政治的言動についての自身の見解を語る

ガンズ・アンド・ローゼズのベーシストであるダフ・マッケイガンは、アーティストの政治的言動について自身の見解を明かしている。

ダフ・マッケイガンは4月4日にロサンゼルスのグラミー・ミュージアムでソロとしてのニュー・アルバム『テンダネス』の楽曲について語っている。

「歌詞を書く上で一番影響を受けているのはコーマック・マッカーシーやヘミングウェイだね」と彼は語っている。「多くを語らず、正しい言葉を選ぶんだ。コーマックの文章を読むと、たった1文だけでも泣けてくるんだよ。主題だとか、無駄のない言葉選びとか、言葉の使い方とか、俺が初めて自分の本を書いたときはその水準を目指したんだよ。『自分にコーマックみたいな文が書けるのか?
たった1文でも?』って感じでね。本気で自分が読んでいるような作家のレベルに到達しようとしたんだ。今回のアルバムの歌詞を書くときは特に『俺たち(We)』という言葉をたくさん使った。俺一人のことじゃなくて俺たちについての曲だからなんだ。一語一語が適切なものになるようにしたかったんだ。『Fire』と『Desire』で韻を踏んだりしちゃダメなわけでさ。絶対にね。ありえないね」

アーティストが社会問題に言及することに対してダフ・マッケイガンは「ご意見番」にはなりたくないと語っている。

「ロックンロールは紙一重なんだよ。ガンズ・アンド・ローゼズで言えば、“Paradise
City”の『キャプテン・アメリカは引き裂かれた』みたいな歌詞を聞いたことがない人がいるのなら、それはながらく損をしていることになるわけでさ。俺たちが若造のバンドだったころは『あんな野郎はクソ食らえ!』って感じで、今もそんなところがあるんだ。俺はよくいるご意見番みたいにはなりたくないわけでね。『こう考えるべきだ』みたいな政治的な言動はしたくないよね。俺は阿呆だからさ。モラルはあるけど、シラフで最悪な状況で友達が死ぬところを見てきたんだ。たくさんね。とんでもない道のりだったよ。もし明日死ぬなら、『なんて道のりだ!』って墓石に書くね。絶対に政治のご意見番にはなりたくない。そういうのはうんざりなんだ」

新曲の“Parkland”の歌詞については次のように語っている。「あの時は地下室にいたんだけど、この曲のエンジニアの奴がやってきて、彼は階段を降りてきてこう言ったんだ。『おい、パークランドのこと聞いた? また(乱射事件が)起こったんだ』それで地下室には一度も点けたことのないテレビがあったから、ニュースを点けたんだ。当時自分には高校生の子どもがいて、俺たちは座って、呆然として観ていたよ。俺たちはこういう事件が起きるのをもう何度も見てきたわけでね。俺はBフラットのコードとDのコードで演奏を始めた。その曲は葬送歌みたいな感じだったんだ。自分は(乱射事件のあった場所の)名前を挙げていって、コロンバイン、サンディ・フック、ヴァージニア工科大学、チャールストンの教会、それ以上は言わなかった。『俺たちはまた母親が泣く姿を見なきゃならないのかい? また学生が死ぬのを見なきゃいけないのかい?』と思ったよ。これが政治的だっていうならクソくらえだよ。被害にあった子どもたちのことを悼んでいるんだ。俺たちには18歳の娘がいて、娘の友だちはみんなパークランドの子どもと同じような子たちなんだからさ」

ダフ・マッケイガンはソロ・アルバム『テンダネス』を5月31日にリリースすることが決定している。
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