ビリー・ジョエル&アクセル・ローズ、ライブ前に昔話に花を咲かせる

2017年5月13日、ビリー・ジョエルが米ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで公演を行い、多数のTOP10ヒットやカヴァーを含む全28曲を2時間半に渡って披露した。途中、ゲストとして1980年代からの友人であるガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズが登場し、AC/DCの「地獄のハイウェイ」とアンコールでジョエルの「ビッグ・ショット」を熱唱。また、先日インタビューでコラボレーションを示唆していたピンクもステージに登場し、ジョエルと「ニューヨークの想い/New York State of Mind」と自身の「トライ」を披露した。
アクセルは開演の20分前にジョエルの楽屋を笑顔で訪れ、ガンズがビッグになりかけていた80年代後半、西ハリウッドにあるロキシー・シアターの外で若い女性たちが列を成して出待ちをしていた頃に二人が同会場で会った時の昔話に花を咲かせた。また、ジョエルが腎臓結石の緊急手術を受けたあとにアクセルがジャック・ダニエルを贈った話にも触れていた。
2016年夏にAC/DCのフロントマンとして同バンドの故郷であるオーストラリアをツアーしていたアクセルだが、明らかに少し緊張している様子で、きっと「地獄のハイウェイ」の素晴らしいカヴァーを披露してくれるだろうとビリーが諭すと「自分の役目をただ果たしたいだけだよ」とコメントしていた。
今回の公演が行われた会場は、ジョエルが1973年にミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせたコリアタウンにあるバーから数キロ西に位置している。ライブの4日前に68歳になったばかりの彼は、1993年の『リヴァー・オブ・ドリームス』以降、ポップスのスタジオ・アルバムはリリースしていないが、その後もライブ活動は精力的に続けており、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンでの定期公演も今月の公演で46回目を数える。
それだけに観客から何を求められているのかを熟知している彼は、今回のLA公演でも1曲目の「ムーヴィン・アウト」からアンコール最終曲「ガラスのニューヨーク」まで、往年のヒット曲ばかりを出し惜しみすることなく連発し、49.50ドル(約5,630円)から139.50ドル(約1.6万円)のチケットを購入して来場した4万6千人のファンを魅了した。
セットリストには他にも、ファンの間で根強い人気がある「ウィーン」(アクセルも、自分が落ち込んでいる時にこの曲が気分転換をしてくれると楽屋でジョエルに話していた)、ファン投票で「イノセント・マン」に勝った「ロンゲスト・タイム」、一時期ツアーを一緒に回っていたエルトン・ジョンへの軽いジャブの意味を込めて彼の「ユア・ソング」のユーモラスなパロディ、そして自身が一番気に入っているとインタビューで話したこともある「イタリアン・レストランで」や代表曲「ピアノ・マン」が含まれていた。
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