ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)にスラッシュ(Slash)とダフ・マッケイガン(Duff McKagan)が復帰して、2026年春に10年を迎えます。スラッシュは米Guitar Worldの新しいインタビューの中で、復帰後のガンズについて語っています。またイジー・ストラドリン(Izzy Stradlin)の復帰には違和感があったこと、ガンズの新アルバムについても語っています。
「クレイジーに聞こえるかもしれないけど、俺が再び関わった当初は、数回のライヴをやるだけだったんだ。そのひとつがコーチェラだった。何年も前からコーチェラのオファーは来てたから、アクセル(ローズ)と集まって腰を据えて、長年積み重なってきたたくさんのこと洗いざらい話し合ったんだよ。その時、彼が“コーチェラのオファーが来てる。やるか?”って聞いてきて、俺は“ああ、楽しそうだね”って答えたんだ」
実際、それがあまりに楽しかったので、スラッシュはそれから9年経った今もバンドにいます。ただし、そのガンズは昔のガンズではありません。大量のドラッグも、酒浸りのどんちゃん騒ぎも、内輪もめもなくなりました。かつてバンドを引き裂いた要因は、すべて姿を消えました。
「その表現が一番しっくりくるね。昔とはやり方が変わったこと以外に、単純に大人になったってこともある……それと、たぶん俺自身が大量のドラッグに溺れなくなったことも影響しているだろうね(笑)。他のみんなのことは代弁できないけど、そういった要素が全て絡み合ってる。いろんな要素がうまくかみ合った完璧な結果ってやつだよ。
コーチェラに出て、そのまま走り続けたんだ。本当に止まることはなかった。唯一(一時的に)止まったのはコロナの時だけ。俺たちはツアーからツアーへと飛び回り、最高に楽しい日々を送ってきたよ。
陳腐に聞こえるのは避けたいんだけど、でも、どの公演も結局は観客次第なんだ。あの相互のエネルギーこそが原動力で、俺が復帰してからずっとそれは揺るがなかった。結成当時から、俺が1996年に去るまで、ずっとそうだったんだ。
俺たちの曲がこれほど長く愛され続けるとは、本当に幸運だよ。こんなに長いあいだ評価され続けているのも幸運だ。これほどの関心を維持できるなんて、俺たちは心底ラッキーだと思うよ。それが俺の見方だ。いやあ、すごい旅だったよ。
自分がこんなにも大好きなことをやれていることに感謝しなきゃって、いつも思うんだ。本当に他に代えがたいよ。ステージに立って3時間も演奏できるのは本当に幸せなことだよ。
(インタビュアー:ガンズ内の結束はかつてないほど強固に見える。どうしてでしょう?)
さあね(笑)。初期のガンズ、特に90年代の問題の多くは、マネージメントの問題や、俺とアクセルを互いに対立させるような要因が原因だったと思う。そう、それは確かに効果があった。
でも、そういう要素がなくなれば、彼と俺はすごくうまくやれている。ダフとは昔からすごく気が合うし、リチャード・フォータスと一緒に仕事をするのも大好きだ。彼とは本当に最高のギターチームを組めんでいる。彼はただのいい奴なんだ。みんな仲が良くて、自分たちのやっていることを楽しんでいるよ。
リチャードはオールラウンドな素晴らしいギタリストで、何でもこなせる。しかも彼のいいところは、俺がバンドにいなかった時期にいた連中、たとえばバケットヘッド、バンブルフット、DJ(アシュバ)なんかの中で、彼だけが以前に一緒に仕事をしたことがあるってことなんだ。
彼はしばらくの間、バンドにいたが、俺が復帰した時にどうなるのかは分からなかったと思う。イジーが復帰するんじゃないかという期待も大きかった。最初のリハーサルを始めたその日にリチャードはそこにいて、彼と一緒にやるのが自分に合うかどうか試すことができたんだ。
イジー復帰の可能性も検討されたことがあったけど、リチャードは常にそこにいた。イジーがうまくいかなかった時、リチャードが残ってくれていたので、本当に安心したよ。
(インタビュアー:イジーは本当に隠遁者みたいな人だから、あんなに大規模なステージで何度も演奏する姿を想像するのは難しい)
まあ、俺にとっては(イジーの)復帰は正直、変な感覚だった。リハーサルを始めると、曲の深みとか、演奏技術の高さとか、そういったものすべてが、90年代以降、みんながプレイヤーとして成長してきた領域にあった。
俺たちは皆、もっと上手くなりたい、進化し続けたいと本当に熱心だった。あの時期にイジーがどこの領域にフィットしたのかは分からない。まったく見当がつかないんだ。だって『Not In This Lifetime』ツアーの初期リハーサルでは、彼と一緒にジャムする機会はなかったからね。
だからどんな感じだったか想像もつかない。他のメンバーは常に活動し続け、ミュージシャンとして成長してきた。でも彼が音楽的に何をしてきたのかは分からないんだ。
(インタビュアー:9年前にガンズに復帰した時、再び世界中のスタジアムを埋め尽くし、バンドが世界を掌握する姿を見られるとは想像していましたか?)
いや、全然! 2026年3月でちょうど10年になるんだけど、そんなに時間が経ったのかって自分でもびっくりしてる。さっきも言ったけど、ここまでずっとこれだけ多くの人から支持を得られてるってことに本当に驚いているよ。
(インタビュアー:ガンズの新アルバムは予定されているのでしょうか?)
現時点で素材は山ほどある。あとは腰を据えて、ちゃんと取り組むことができるかが問題だね。ガンズに関しては、俺の経験上、事前に計画なんて絶対に立てられない。腰を据えて“この期間にこれをやる”なんて決められないんだ。
そうやって計画すると、毎回うまくいかなくなる。何かしらのインスピレーションがきっかけで、自然発生的に動き出すんだよ。で、気づいたらもう走り出してる。だから、その時は必ず来るよ。みんながそのことを考えているのは分かってるし、だから必ず来る。その時が来れば、自然と起きるよ」
[source] https://www.guitarworld.com
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