ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)は5月27日にアラブ首長国連邦のアブダビで行ったコンサートにて、ニューヨーク・ドールズ(New York Dolls)の「Human Being」をライヴ初演奏。特に言及しませんでしたが、デヴィッド・ヨハンセン(David Johansen)が今年2月末に亡くなったことが、この選曲のきっかけとなったはずです。ガンズは1993年のカヴァー・アルバム『”The Spaghetti Incident?”』でこの曲をカヴァーしています。
またこの公演では、ダフ・マッケイガン(Duff McKagan)のリード・ヴォーカルでミスフィッツ(Misfits)の「Attitude」をカヴァー。この曲の演奏は今回のツアーでは初めて。また、2023年リリースのシングル「The General」も今回のツアーでは初めて演奏しています。さらに『G N’ R Lies』収録曲「Used to Love Her」は2018年以来のライヴ演奏でした。
当日のファン撮影の映像あり。
「Human Being」
「The General」
「Used to Love Her」
フル映像
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ガンズ・アンド・ローゼズはニューヨーク・ドールズの“Human Being”のカヴァーをライヴで初披露して、亡くなったデヴィッド・ヨハンセンに追悼の意を表している。
ニューヨーク・ドールズの“Human Being”のカヴァーは1993年にリリースされたカヴァー・アルバム『ザ・スパゲティ・インシデント?』に収録されているが、これまでライヴで披露されたことはなかった。しかし、5月27日に行われたアブダビ公演でライヴでは初披露されている。
ガンズ・アンド・ローゼズはデヴィッド・ヨハンセンに言及することはなかったが、デヴィッド・ヨハンセンは今年2月に亡くなっている。訃報は娘のリア・ヘネシーによって発表されており、ニューヨークの自宅で現地時間2月28日に亡くなっている。デヴィッド・ヨハンセンは2020年にステージ4のガンと診断されていた。
観客が撮影した“Human Being”のカヴァーはこちらから。
亡くなる数週間前にデヴィッド・ヨハンセンはガンの治療費のために寄せられたクラウドファウンディングに感謝の思いを伝えていた。デヴィッド・ヨハンセンは病気について「全人生でも経験した中では最悪の痛み」と評していた。
ニューヨーク・ドールズのシンガーとしてデヴィッド・ヨハンセンはパンク・ロックを定義することになる世界観を形成するにあたって重要な役割を果たしており、グラムとハード・ロックの要素を独自の反体制的なアティテュードと融合させることで、新たな世代の音楽ファンから反響を受けることとなった。
デヴィッド・ヨハンセンはザ・フーのオープニングを務めるなどソロとして成功を収めたが、80年代後半には『サタデー・ナイト・ライヴ』のハウス・バンドと定期的にパフォーマンスを行うラウンジ・シンガー、バスター・ポインデクスターという名義に転向しており、1987年には“Hot Hot Hot”というヒット曲をリリースしている。
デヴィッド・ヨハンセンは俳優としてのキャリアにも乗り出し、最もよく知られているのはビル・マーレイと共演した1988年公開の映画『3人のゴースト』となっている。他にも『のるかそるか』、『Mr.ベビーシッター』、『ピートとピートの冒険』といった映画やドラマに出演している。
訃報を受けて音楽界からは追悼の声が寄せられており、スティーヴ・ヴァン・ザントは次のように述べている。「この業界で最もユニークな伝説の一人であり、とても素晴らしい友人だった。唯一無二の存在だ」