スラッシュ、アナログ録音&レコード愛を語る

ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)のスラッシュ(Slash)は、アナログ録音&レコード愛を米Goldmine Magazineのインタビューの中で語る。またガンズ・アンド・ローゼズ『Appetite For Destruction』をはじめ、自分がやったアルバムを個人的には持っていない理由についても話しています。

Q:(スラッシュ・フィーチャリング・マイルス・ケネディ・アンド・ザ・コンスピレターズの最新アルバム)『4』はデラックス・アナログレコードでも発売されますね。

「アナログレコードと、カセットでも出すよ。レコードはずっとこだわってきたことだけどね。それに俺は昔からアナログ録音にこだわってきたんだ。2010年に初めてソロ・アルバムを作ったとき、(アナログ録音の)テープはほとんどなかった。かき集めて、テープに録音したんだ。その後のコンスピレターズのアルバムもすべてその方法でやっているんだよ。

今はテープがたくさんある。レコードはルネッサンスのようなもので、子供たちが音のよさに気づいたからだ。長い間聴いていたMP3と比べるとね。レコードは復活を遂げた。カセットテープも復活した。今の世代はカセットテープを発見して、クールだと思うようになった。だから、カセットテープでも作ろうと思ったんだよ」

Q:今のファンは、僕らが昔やったように床に座ってレコードを見つめ、アルバム・ジャケットを読むことができるのは素晴らしいことですよね。何か不思議な感じがします!

「そうだね。俺はそういう風に育ってきた。俺はとても音楽的な家庭に生まれた。ミュージシャンではないけれど、両親とも音楽関係の仕事をしていたから、大量のレコードコレクションを持っていた。レコードを聴くことの素晴らしさのひとつは、何か他のことをしながら聴くのではなく、それをかけて本当に聴くということだった。そして、じっくりとライナーノーツやアート、ジャケットや歌詞に目を通す。そんな感じだったね。その後、CDになったとき、状況は悪化し始めた。物がコンパクトになった。そこからストリーミングに移行し、音楽はその性格を失ってしまった。音楽を聴くというプロセスから、ロマンチックで個人的な感覚が失われてしまったんだ。音楽を聴くということは、携帯電話で聴くということではないはずなんだ(笑)。観客は、音楽を聴くことにいくらでもお金をかけていると思う。本当に変わったのは業界の方だよね。

こんなに便利に音楽を聴くためのさまざまなプラットフォームがあるのは、俺はすごくわかる。でも、失うものは大きい。欠けている要素があるんだ。それを発見して、本当にあるべき姿を研究し始めると“すごい、こんな素晴らしいものがあったのか!”となる。それが今なんだよ。でも、音楽業界って、何か人気が出ると、トラック1台分くらい大量に出すじゃない。しかも、デジタルで配信されることで、より安くなったしね」

Q:ガンズ・アンド・ローゼズ『Appetite For Destruction』のオリジナル・ジャケットはまだレコードで持っているのですか?

「わかってほしいんだけど……俺がやったレコードは全部そうなんだけど、俺は何も集めていないんだ。もし君が俺の家に来ても、俺がバンドをやっているとはわからないだろうね。少なくとも君が聴いたことのあるようなバンドはね。楽器はあるんだけど、記念品とか、長年にわたってリリースされた特別なものは持ってないんだ。『Appetite for Destruction』のレコードは持ったことがないと思う。もし持っていたとしても、俺はどこにも住んでいなかったので、それを置く場所がないんだよ。確かに、レコードはたくさん持っていたよ。でも、自分が実際に参加しているバンドのレコードを集めることはなかったんだ。意味あることかな?

レコードを作るということは、音楽を作り、メンバーと一緒に取り組んで、それを発展させるというプロセスを経るということなんだ。そして、スタジオで録音し、ミックスする。その後の最終工程はマスタリングだ。それが終わってリリースされたら、次の段階に進むんだ。わかるかな? その素材に必要なことはすべてやりつくしたようなもので、その時点で楽しみにしていることは、外に出て演奏することだけなんだ。だから、ミキシングやマスタリングのときに、車に乗って800万回も聴くことはないんだよ(笑)」

Q:そして、毎晩それを演奏することになるわけですね。

「ああ、毎晩演奏しているから、素材はいつもそこにある。ラジオとかで聴いたら興奮するけどね。でも、それ以外では聴かないんだ」

[source] https://www.goldminemag.com/

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