Monsters Of Rockモンスターズ・オブ・ロック

Monsters Of Rock Festival 1988/8/20 England Donington - Castle Donington Park

イギリス・ドニントンで開催される野外ロック・フェスティヴァル”モンスターズ・オブ・ロック”。ガンズ・アンド・ローゼズはHELLOWEENに続く2番目に登場(他にはMEGADETH、DAVID LEE ROTH、KISS、IRON MAIDEN、が出演)。10万7000人もの観衆を集めたのだが、 ガンズ・アンド・ローゼズの演奏中(正確にはIt's So Easyの演奏中)に二人の観客が圧死してしまうという悲劇が起こってしまった。
ガンズ・アンド・ローゼズのデビュー・アルバム”Appetite For Destruction”がビルボード・チャートを掛け上がり、1988年8月6日付でNO.1になっていることもあり、観客の興奮も相当のものだったのだろう。興奮し過ぎた観客が最前列に押し寄せ、このような事故を引き起こしてしまった。
この時の模様は"Paradise City"のビデオ・クリップの後半、白黒の部分でも確認出来るが、とにかく見渡す限りの人、人、人。全員が一体になって揺れている様子を見ることが出来る。後にセキュリティーの人員不足、プロモーターが限度を越えた人数を会場に入れてしまったことなどが避難されている。

Set List - 1988/8/20 England Donington
1. IT'S SO EASY
2. MR. BROWNSTONE
# "Don't Fuckin' Kill Each Other!"
3. YOU'RE CRAZY
# 5 Minutes Interruption "Fuckin' Move Back!!"
4. PARADISE CITY
5. SLASH GUITAR SOLO
6. WELCOME TO THE JUNGLE
7. PATIENCE
8. SWEET CHILD O' MINE
■ すごく怖かった……キッズの上に次々とキッズが横倒しに重なりあっていくんだよ。もう意識なんかなくて、どんどん人が上へ上へと重なっていったんだ。
一部始終を見ていたよ。全員を引っ張り上げるのに20分ぐらいかかったかな。何度か演奏を中止したんだけど。そして一番最後に起そうとした観客の何人かは、たぶん死んでたんじゃないかな。すごく奇妙な体験だった。その体には命が宿っていないように見えたんだ。 (スラッシュ)
Slash
Axl Rose
Axl Rose

■ オーディエンスは手のつけられない状態で、そうさせてしまったのはオレ達だったんだ。でも、あんなことを誘発したのはオレ達じゃない。コンサートを3回も中断して、みんなの頭を冷やそうと努めた。セキュリティはまったく手を貸そうとしなかった。
オレがあのとき降りていったら暴動になることは目に見えていたんだ。誰かが駆け下りていってあの二人を助け出すことが出来たはずなんだよ……自分のなかでもどう収拾をつけたらいいのかオレにもわからないんだ。
そう、その場にいたんだから間違いなくオレ達もその事故に関係しているよ。ただ、何が起きたかってことについてまでオレ達が保障する責任はない。だって息が出来なくなるまでお互いをつぶしちまえ、なんて言った覚えはないんだから。それに自分の足で立てなくなるまで酒を飲みまくれって呼びかけたわけでもない。あの日、あそこに来ていた人間すべてにある程度、責任があると思う。でも、誤解しないでくれよな、人が傷付けられるってのはとても悲劇的なことだし、それに死んでしまった……あの二人は悲劇以外の何ものでもないよ。
クレイジーだったよ、何もかもがね。 (アクセル・ローズ)

■ バンドはあのイベントですっかり落ち込んだ。曲をスローなものに変えて、ステージ前のファンの狂ったような騒ぎを抑えようともした。あの事故がオレ達のせいかどうか、本当にわからないんだ。
誰かが正面きって、オレに、ガンズ・アンド・ローゼズに責任があるのかと訊いてきたとしたら、オレ達に責任はないと確信を持って言うことは出来なかった。責任を追うべきだとは思わないけど、そう答える前によく考える必要がある。批判を甘んじて受けるべきなのかもしれない。だって、あの子達が死んだとき、ステージにいたのはオレ達なんだし、ガンズ・アンド・ローゼズが存在しなかったらあの悲劇は起こらなかったろう。オレ達にはすごい重荷だ。
あの事件について誰かが何を書こうが、言おうが、最悪な気分は変わらないさ。正直言って、オレ達をスケープゴートに仕立て上げたがっているメディアのことなんかはどうでもいいんだ。あの事件は一生、オレについてまわるだろう。 (ダフ・マッケイガン)