NIRVANA / ニルヴァーナ
◆ Nirvana & Guns N' Roses ◆
ガンズアンドローゼズが爆発的に人気を得始めた80年代のおわり頃、GN'Rは、まさに時代を変えたニューヒーローとして扱われた。その自らを「リアルロックンロール」と呼ぶGN'Rの成功により、数多くのフォロアー、パクリバンドが出てきたが、オリジナルの圧倒的エネルギーには遠く及ばず、消え去っていった。そして当時のシーンの頂点に立ったのがGN'Rだったのだ。
80年代に現れ、90年代も頂点を極め続けるものかと思われたGN'Rだったが、後に最も90年代を象徴する音楽として取り上げられることになる「グランジ・オルタナティブ」と呼ばれる音楽が新しい流れを作り出す。そしてその流れの中心にいたのがカート・コベイン率いるNIRVANA(ニルヴァーナ)だった。
ニルヴァーナの登場により、GN'Rを筆頭とするハードロックは、「古い物・時代遅れ」といったふうに扱われ始める。
何よりカートは当時圧倒的存在であったGN'R(特にアクセル)を敵視しており、その煽りに便乗するかのように、それまでGN'Rを指示していた世論も手の平を変えて、ニルヴァーナを指示し始める。
飽和状態にあったシーンに一石が投じられることとなった。
当のアクセルはというと、Don't Cry のビデオクリップでニルヴァーナ・キャップをかぶっていたり、インタビューでも好意的な
発言をしていたのだが・・・、同じレーベル(当時ゲフィン)メイトとして同席するのも嫌だったニルヴァーナ側。
一緒にツアーをしようというGN'Rの誘いを断り、さらにはアクセルの誕生パーティーで歌ってくれという要請(確かにわがままな要請である)を
断るなどして、アクセルも徐々に態度が変わってくる。
92年のライブではアクセルがカート&コートニーを徹底的に罵倒、「(当時カート&コートニーがドラッグにハマっていたことを指して)
二人の子供が奇形児だったら、あいつらは刑務所に入れられるべきだ!」「カートおまえは腹の底に本心を隠している甘ったれ野郎だ!」などと
発言。当時カート&コートニーがドラッグを使用していたことは事実であり、アクセルの言い分もわからなくもないものの、ほとんど余計なおせっかいのようなもの。
アクセルは、とにかく自分のイライラをぶちまけないと気が済まない人なので、攻撃の理由は何でもよかったのかもしれない。
そして1992年の9月、MTV Music Awards で両者が接近することになる。NIRVANAは演奏後に「ハ〜イ、アクセル」などとアクセルを挑発。カートはコートニーと共に出席していたのだが、二人はラリッているフリをして、アクセルに「フランシスの名付け親になってほしい」と頼んだりした。
この日アクセルは恋人(モデル)、ステファニーと一緒に出席していたのだが、ステファニーがコートニーにふっかける「あなたはモデルかしら?」するとコートニーは、すかさず「いいえぇ、アンタは脳外科医なの?」と応戦。流石にアクセルの彼女を勤めるステファニーだが、舌戦ではコートニーが一枚上手。
アクセルがこんな時に黙っていられる性格でないことは周知の事実。
アクセルは「お前のクソ女を黙らせろ!」とカートに言い放つが、カートはコートニーに大げさに「黙れ、クソ女!」と言って周囲を笑わせてみせた。
93年のインタビューでコートニーは「あたし、アクセルを激怒させちゃったの、あいつはあたしに殴りかかろうとしたのよ。
大した事じゃなかったけど、やることはやったわ。あたしとカートでMTV Music Awards の会場を出る時、
カートが言っていたわ『アクセルとマドンナとマイケル・ジャクソンを怒らせちまった。オレたち隠れた方がいい。こいつはFBIよりタチが悪いぜ』って」
以前アクセルがインタヴューで「まぁ、警察の力なんて、たかが知れてるけどね(笑」
なんて冗談を言っているが、当時のGN'Rの勢いやアクセルの性格を考えると、カートがこんな冗談を言うのも理解出来る。