DISC 1-2
1991.08.31 Wembley Stadium, London, England
[メーカーインフォ]
アクセル・ローズと共にバンドの創設者でもあったイジー・ストラドリン。彼がメンバーとして名を連ねたラスト・ライヴアルバムが登場です。
そんな本作が吹き込まれたのは「1991年8月31日ウェンブリー・スタジアム」公演。そのリアル・オーディエンス録音です。1991年のGUNS N' ROSESは『USE YOUR ILLUSION I & II』が全米チャートの1・2フィニッシュを決めるなど、歴史的な大成功の真っ直中。その一方でメンバーチェンジは激しさを増し、ワールド・ツアーの最中にも入れ替えが起こりました。まずは、そんな当時の活動概要を振り返り、本作のポジションを確かめてみましょう。
●1990年
《2月:ディジー・リード加入》
・4月7日:Farm Aid出演
《6月:スティーヴン離脱→マット・ソーラム加入》
《11月『USE YOUR ILLUSION』完成》
●1991年
・1月20日+23日『ROCK IN RIO 1991 1ST NIGHT』他
・5月9日ー16日:ウォームアップ(3公演)←※公式LIVE IN NEW YORK
・5月24日ー8月3日:北米#1(37公演)←※NOBLESVILLE 1991他
・8月13日ー31日:欧州(7公演) ←★ココ★
《9月17日『USE YOUR ILLUSION I&II』発売》
《11月:イジー離脱→ホーン含み13人編成に》
・12月5日ー31日:北米#2(9公演)
これが1990年/1991年のGUNS N' ROSES。イジーが離脱したのは1991年11月で、それを機に13人編成のビッグバンド・スタイルに変化しました。その直前に行われたレッグがNINE INCH NAILS/SKID ROWと共に回った「欧州」でして、本作のウェンブリー・スタジアム公演はその最終日だったわけです。また、当店ではSKID ROWとのカップリングによるプレス名盤『STOCKHOLM 1991 1ST NIGHT(Zodiac 111)』も人気ですが、本作はその4公演後(15日後)でもありました。
そんな現場を真空パックした本作は、猛烈なクリアさと灼熱の臨場感を兼ね備えた銘品。海外の研究家から提供されたベスト・マスターなのですが、演奏音がめちゃくちゃクッキリ。上空に大きく開いた“ウェンブリー・スタジアム”らしく反響ゼロの出音は曇りも濁りもなく、細部の微細部までえらく鮮明。サウンドボード間違えこそしないものの、力強い芯の突進力によって距離感もなく、アンサンブルの隅々まで手に取るように味わえるのです。
演奏音がメチャクチャ美しい一方、現場の熱狂も正直に吸い込んでいる。冒頭の「Perfect Crime」から飛び交う大歓声が渦巻くわけですが、カタルシスが爆発するのは続く「Mr. Brownstone」。7万人とも9万人とも言われる“ウェンブリー・スタジアム”の群衆が一斉に歌い出し、もの凄い大唱和が吹き荒れる。それもサビだけとかではなく、イントロからエンディングまで歌いっぱなしなのです。
こう書くと轟音・爆音を想像されるかも知れませんが、そうではありません。ビビりもオーバーピークの歪みも一切ナシ。目を閉じると抜ける青空が想像できるくらいに透き通ったクリアさの中、万を数える大合唱隊がアクセルに付き従っている。しかもその大合唱を突っ切る演奏音もシャープで、しっかりと音楽アルバムになっているのですから驚きです。
そんな超スペクタクル・サウンドで描かれるのは、歴史的なイジー最後のレギュラー・コンサート。1991年と言えば、公式ボックス収録の『LIVE IN NEW YORK』もありますので、最後に比較しながらセットを整理しておきましょう。
●ユーズ・ユア・イリュージョン(11曲)
・I:Perfect Crime(★*)/Bad Obsession/Live And Let Die/Dust N' Bones/Double Talkin' Jive/November Rain(★)
・II:Civil War/You Could Be Mine/14 Years(★*)/Knockin' on Heaven's Door/Estranged
●その他(7曲)
・アペタイト・フォー・ディストラクション:Mr. Brownstone/Welcome to the Jungle/Nightrain(★)/Sweet Child o' Mine/My Michelle(*)/Paradise City
・GN'Rライズ:Patience
※注:「★」印は公式『LIVE IN NEW YORK』で聴けなかった曲。「*」印はプレス名盤『STOCKHOLM 1991 1ST NIGHT』にない曲。
「Perfect Crime」「Bad Obsession」「Dust N' Bones」「14 Years」といった当時ならではの名曲群も美味しく、『APPETITE FOR DESTRUCTION』ナンバーでは世紀の大合唱が巻き起こる。そして何より、その狂乱を引き起こしているアンサンブルは、イジー・ストラドリン入りのラスト・パフォーマンスなのです。予備知識のないご新規さんが聴くと観客が大きすぎると思ってしまうかも知れませんが、当時を知るほどに熱い演奏とスペクタクルに胸が焦がされるのです。万人向けとは言い難いのでShadesレーベルからのご紹介ではあるものの、聴き応えはそんじょそこらのプレス名盤も蹴散らすリアル・ライヴアルバム。どうぞ、存分に味わい尽くしてください!
★イジー・ストラドリン脱退前のラスト・ギグ「1991年8月31日ウェンブリー・スタジアム」公演のリアル・オーディエンス録音。海外の研究家から提供された銘品マスターで、猛烈なクリアさと灼熱の臨場感を両立。ウェンブリー・スタジアムらしい反響ゼロの出音は曇りも濁りもなく、細部の微細部までえらく鮮明。その上で人気絶頂のムードが凄まじく、『APPETITE FOR DESTRUCTION』ナンバーでは数万人の大合唱が巻き起こる。聴きやすさ/レア曲/超スペクタクルが揃った通好みのリアル・ライヴアルバムです。
Disc:1 (69:13)
1. Perfect Crime
2. Mr. Brownstone
3. Bad Obsession
4. Welcome To The Jungle
5. Live And Let Die
6. Dust And Bones
7. Double Talking Jive
8. Civil War
9. I Was Only Joking (Introduction) / Patience
10. You Could Be Mine
11. November Rain
Disc 2 (66:30)
1. Nightrain
2. Drum Solo
3. Guitar Solo
4. Sweet Child O' Mine
5. 14 Years
6. My Michelle
7. Knockin' On Heavens Door
8. Estranged
9. Paradise City
W. Axl Rose - Vocal
Slash - Guitars
Izzy Stradlin - Guitars
Duff McKagan - Bass
Matt Sorum - Drums
Dizzy Reed - Keyboards