PHILADELPHIA 2016: TOUR FINAL AC/DC with W. Axl Rose


PHILADELPHIA 2016: TOUR FINAL
Shades
[Shades 682] (2CDR)

DISC 1 & 2
2016.09.20 Wells Fargo Center, Philadelphia, PA


[メーカーインフォ]
あってはならない“AC/DCの最後”。もしかしたら、実現してしまったかも知れない“ラストショウ”。そのライヴアルバムが最速リリース決定です。本作が録音されたのは、つい先週行われた“ROCK OR BUST WORLD TOUR”の千秋楽「2016年9月20日フィラデルフィア公演」です。現在、AC/DCは結成43年にして最大の転機を迎えており、馴染みの深いメンバーはアンガス・ヤングただ独り。このライヴを最後にこの世から消滅してしまうかも知れない。そんな「もしかしたらラスト・ライヴ」の空気を現場で吸い込んだオーディエンス・アルバムなのです。すでに多くの方がご存じとは思いますが、もしかしたら本稿を最後にしばらく書く機会がないかも知れませんので、“黄金の5人”がいかに去っていったかをまとめてみましょう。
●マルコム・ヤング:認知症により『ROCK OR BUST』制作前に引退。
 →後任:従兄弟のスティーヴィ・ヤング
●フィル・ラッド:“ROCK OR BUST WORLD TOUR”の直前に殺人依頼の容疑で逮捕され、バンドから追放。
 →後任:元メンバーのクリス・スレイド
●ブライアン・ジョンソン:ツアー中の2月に耳の持病が悪化してドクター・ストップ。
 →代役:GUNS N' ROSESのアクセル・ローズ
●クリフ・ウィリアムズ:ツアー終了と同時に引退を表明。
 →本作がラスト・ライヴ
わずかアルバム1枚とツアー1回の間に、これだけの事が立て続けに起こってしまったわけです。ブライアンの離脱で一度はツアー自体もストップしますが、驚天動地のウルトラCとなるアクセルの参加で再開。世紀の超豪華ユニットとして世界中の話題をさらいつつ、「欧州13公演+北米10公演」を完遂しました。本作は、その最終公演なのです。
それほどの歴史的超重要ライヴだけに、注目度も満点。ライヴ直後からオーディエンス記録が次々と報告され始めています。本作は、そんな中でもベスト・クオリティのライヴアルバムなのです。実際、本作のクオリティは素晴らしいオーディエンス・サウンド。ネット上にはド迫力ながらもボワボワした録音も登場していますが、本作はクリアに晴れ渡り、アンガス&アクセルが骨太に迫る。“これが最後なのか!?”の一瞬一瞬を魂に刻みつけているかのような観客の息吹が熱いため、「まるでサウンドボード」とは思わないものの、極太クリアな楽音自体はライン録音にも匹敵する凄味なのです。
そして、その空気感があるからこそ、最終公演の記録に相応しい。これは観客の声だけの話ではなく、演奏も重く、“覚悟”めいたものを感じさせる。すでに世界中から湧き出した批判を黙らせたアクセル、「今日が最後」を公表していたクリフの重いベース、その相方を鋭く支えるクリスのドラム、まるでそこにマルコムがいるかのようなスティーヴィ、そして「一度決めたことは何としてもやり遂げる」という鉄の覚悟を行動で示したアンガス・ヤング。全員の1音1音がこれまで以上にビシッと締まっている。ハジける勢いとは違い、緊張感とも違う。リフとビートの“間”までもがキリッと凛々しいグルーヴが全編を貫く。それがライン録音に匹敵するダイレクト感に迫りつつ、観客との交感までもがジューシーに味わえるライヴアルバムなのです。
さらに、本作は最後の貴重さだけでもない。アンコールにはサプライズの「Problem Child」を演奏。これまで欧州ツアーで「Tough Too Much」、北米ツアーで「Live Wire」を復活させてきましたが、この曲もまた2001年以来15年ぶりの復活。アクセルが歌ったのは、この日だけという激レアな1曲なのです。
そんな本作の凄味を凝縮したのが最終公演の最後の1曲「For Those About to Rock (We Salute You)」でしょうか。実のところ、これまでご紹介してきた北米ツアーの傑作録音『COLUMBUS 2016(Shades 677)』『BUFFALO 2016(Shades 681)』も素晴らしいサウンドでしたが、こと“現実感”では本作こそが頂点。何よりもそれを象徴するのがお約束の砲撃。とんでもなく凄まじい発砲音が轟くのです。別に轟音だの爆音だのの類ではありません。美しく、端正に、クリアに、そして超リアルに炸裂する。その凄絶な現実感は現場で浴びているとしか思えない(心臓の弱い方はヘッドフォンの使用はご遠慮ください)。ここまで現場感覚を味わわせてくれるオーディエンス録音がかつてあっただろうか……。最後の最後を告げる砲撃に魂を打ち抜かれ、最終公演は幕を閉じます。
結成から43年、遂に“その日”が来てしまったのか。本当にこれで終わりなのか、それともまだ望みはあるのか。アンガス自身は「音楽は多分、俺のすべてだ」「今後のことは何も決まっていない」と語るのみです。通常でもツアー後には数年休むAC/DCだけに、答えがいつになるのかも分かりません。そんな置き所のない想いをぶつけたい方、アンガス&アクセルの超豪華合体を味わいたい方、そしてシンプルにスゴいロックンロールを全身で浴びたい方……すべての方の想いに応える極上のライヴアルバム。今週末、あなたのお手元へお届けいたします。

DISC 1
01. Intro
02. Rock or Bust
03. Shoot to Thrill
04. Hell Ain't a Bad Place to Be
05. Back in Black
06. Got Some Rock & Roll Thunder
07. Dirty Deeds Done Dirt Cheap
08. Rock 'n' Roll Damnation
09. Thunderstruck
10. High Voltage
11. Rock 'n' Roll Train
12. Hells Bells
13. Given the Dog a Bone
14. If You Want Blood (You've Got It)
15. Live Wire
DISC 2
01. Sin City
02. You Shook Me All Night Long
03. Shot Down in Flames
04. Have a Drink on Me
05. T.N.T.
06. Whole Lotta Rosie
07. Let There Be Rock
08. Highway to Hell
09. Riff Raff
10. Problem Child
11. For Those About to Rock (We Salute You)