Band EnsembleGN'R 奇蹟のアンサブル

Lead Guitar & Rhythm Guitar (リード・ギター&リズム・ギター)
その昔、キース・リチャーズ(Rolling Stones)が「ガンズ・アンド・ローゼズにはジミー・ペイジとロン・ウッドがいる」と言ったそうだ。スラッシュとイジーを指してのことである。

(「表現スタイルに最も影響が濃いのは誰か?」という質問に)
「そりゃあ、ジミー・ペイジさ。あのブルージーな音がね。それに、オレはいつだってリフに燃える男なんだ」(スラッシュ)

「オレはドラムとベースに耳を傾けながらグルーヴにこだわってるのさ。自分のパートにもね」(イジー)
Izzy Stradlin & Slash
スラッシュのブルースをベースとしたギター・スタイルは非常にエモーショナル。絡み付くような少々ルーズとも言えるプレイが特徴で、歌の持つ勢い、あらゆる感情をそのままメロディー にして紡ぎ出していく独自性を持っている。

一方のイジーはスラッシュとは逆に、あまり目立ちたがらない。ステージでもだいたい定位置で、カッティングをきめたりしている。 スラッシュの"タメ"や"引きずり"のあるルーズなプレイとは味の違う、キレのいいギター・プレイが特徴。

このバランスをスラッシュは昔のインタビューで次のように発言している

「イジーと出会うまでオレは他のギタリストと弾くことなんて出来なかったんだ。おかしなものでさ、イジーもオレも、お互いにやりたいようにしか弾かないからさ、息がピッタリ合う時もあるし、てんでダメな時もある。

あいつも頑固だからなぁ、たまに、本当にイライラする時があるよ。あいつは結構、軽いノリで歯切れのいい、キース・リチャーズ的なスタイルが好きなんだよ。でも、オレはもっと重い感じが好きだから、二人ともガンガン前面に出ていった方がいいと思うんだよね。だから、そういう意味じゃ、いまいち不満な曲もあるよ。
例えば"Welcome to the Jungle"なんかそうだね。あと"Paradise City"みたいに、ダフが重いノリを乗せてくる時もあるし。まぁ、ひっくるめて言えば、ギターに関してはオレの方が色々と知ってると思うよ。でも、イジーは曲作りが上手いし、スタイルってことに関しては、えらくセンスがいいんだ」

「お互い同じコードで弾くように努力しているけど…好き勝手に弾いてる」


Duff McKagan & Slash
Bass (ベース)

ダフはギター、ドラム、ベース、と様々な楽器をプレイした経験を持つ。あらゆるフレーズが目まぐるしく駆け巡る、全盛期のエアロスミスを彷彿とさせる そのエキサイティングな演奏。その演奏の底辺をガッチリと支えているのが、ベーシストのダフなのだとスラッシュは言う。
「ダフは元ギタリストなんだ。だから、ギタリストが何を考えているのかよくわかってくれて、そういう意味じゃすごく助かるんだよ。あまりよく聞こえないところで実はフレーズとフレーズと巧くつなげていってくれてるんだよね。例えば "Welcome to the Jungle" なんかそうだな。バカの一つ覚えみたいに、ただビートを刻み続けることはしないんだよ」


Drums (ドラムス)

◆ スティーヴン・アドラー
オレ達、他のドラマーとプレイする度にさ、もちろん正確過ぎるくらいのタイトなドラミングをするんだけど、一人としてウマが合うやつがいなかった。スティーヴィーのタイミングは速くなったり遅かったりと不安定なんだ。 その繰り返しでだんだんスピードがノッてくる。かと思えば、次の瞬間遅れ気味になるんだよな。メチャクチャなんだけど、なぜか上手くいくんだ。これこそがガンズ・アンド・ローゼズの持ち味だよ。かえってグチャグチャでワケが分からない方が、イイ味が出たりしてさ。(1989- Izzy)

◆ マット・ソーラム
(Q, マットの加入によって、演奏がタイトになった、と捉えていいんでしょうか?)
うん、そうだね。それに、いちいち細かいことをこっちが心配しなくてもよくなったんだ。昔は本番中も耳をそばだてて「ちゃんとやってるかな?」って注意してなきゃならなかった。 だけど、その点マットは違う。とてもソリッドなプレイヤーだから、オレはオレでひたすら自分のギター・プレイにだけ集中しれいればいいんだ。スネアの音なんかにしたって、いつだって欲しい時に確実に入ってくるって安心感があるからね。(1991- Slash)


Buckethead & Robin Finck
90年代後半、次々とメンバーがバンドを離れていく中、アクセルは様々なミュージシャンを呼び寄せ、ひたすらセッションを繰り返していた。 97年春、何度かセッションに加わっていた元ナイン・インチ・ネイルズのドラマー、クリス・ヴレンナによれば 「彼らはいろんなアイディアを一緒に合わせてみて、バンドのヴァイブとしては誰と誰ならぶつかり合わずに 上手く融合するかってのを試してたんだよね」
そうして集められたメンバーによってガンズ・アンド・ローゼズは再構築され、2002年には大掛かりなツアーも行われた。 このツアーで新生GN'Rの生の演奏が多くの人の目にさらされる事となったのだが、新しいプレイヤーのプレイに関するレビューは、その多くが「意外と無難である」「元の曲に忠実だ」というものだった。
これから曲にもっと慣れることによって余裕も出てくるだろうし、何より一緒に作った新曲をプレイすることによって、この先彼らの個性がより色濃く出てくることになると思われる。

スラッシュが抜けたことにより、あの必殺のギターは無くなるわけだし、メンバーの大幅な交代によってバンド・アンサンブルの変化は避けされない。
アクセルには以前の成功した形の焼き直しをするつもりなど無いのだろう。そのためにバンドに新しい風を吹き込ませた。新しいメンバーによる演奏にも、以前のような奇蹟は起こるのだろうか。