W. Axl Rose - Part 3アクセル・ローズ 3

オレはオレのやりたいようにやるだけ

W. Axl Rose
■ (バンドのリーダーとしての自覚は? との質問に)
オレはオレのやりたいようにやるだけさ。これってワガママかもしれないけど、自分のためにはそれが最良のやり方だと思う。オレ達、曲を書くにしても誰もやりたくないものは絶対にプレイしないんだ。そんな調子で進めていくから、結局は全員が好きな曲がワンセット完成することになるわけ。だからオレがリーダーで「オレの言う通りにみんなするんだ」とは言えないよ。そういう方法じゃ上手くいかないものさ。
(1989 - Axl)

■ アクセルってナイーヴで、アーティスティックでクリエイティヴで、知的なヤツだよ。それに加えてムラっ気が強い。自分を取り囲む周囲の人間を常に気にとめているんだ。人見知りするし……これは人に対して恐怖心を抱いているってわけじゃなくて、自己防衛の方法なんだ。それに、物事にはとても厳しいよ。こういういろんな面があるけど、他にも複雑な性格が交じり合っている。エキセントリックで、一回キレちまうとなかなか平常心を取り戻すのは難しいね。昔はその性格何とかしてくれよってうるさく言ってたんだけどね。
いろいろ口喧嘩もしたけど、本当にいい友達同士だ。ふたりともなかなか譲らないから、険悪なムードに何度も陥った。オレにはオレのやり方があるし、アクセルにはアクセル流ってものがあるわけだ。でも、他のメンバーはまた別として、どうしてこのバンドがここまで上手くいくかって言うと、オレとアクセルがバッチリ上手くいくと、とてつもないほど様々な可能性が広がっていくからなんだ。
(1991 - Slash)

■ (アクセルの目を通して書かれた歌詞は明らかに狂っているとしか思えないと考える向きもあるけど? との問いに)
まったくその通りさ! あいつはクレイジーだからな。時によっては合理的な考え方にもなるけど、まったく何を頭に描いているのか読めないこともある。気分の浮き沈みが激しいし、外界の人間とは全く心を閉じてしまうこともある。
ひたすら落ちこんで、そんなアクセルの状態に入っていけるやつがいるとしたら、それはオレだと思うんだ。未だにオレ達は同じド田舎のインディアナから来た仲間意識がある。そんなに複雑なことじゃないさ。あいつが恐怖に脅えた時や、部屋をロックして中から出てこない時に、ギグやプレイをしなきゃいけないんだぞって説得するのは、いつもオレなんだ。
(1989 - Izzy)

■ オレがこうもよく怒ってしまうのは、きっと自分の弱さについて何かしら不安を抱えているからなんだろうな。みんな、それぞれにそういうもは持っているはずで、オレの場合それは自分のやっていることに現れる。オレがやっていることってつまり、歌って走って自分の写真を撮られるということだね。オレがやっていることをこうして形にしていくのは、これまでいつだって、かなり骨の折れることだったんだ。オレにとってごく自然に湧く感情っていうのは、歌いたいという欲求しかないからね。
自分の中で何かが「もう大丈夫だ、折り合いもつくぞ」って言うのを聞いたんだ。折り合いがつくまで、とにかく時間がかかった。で、そういうふうに折り合いが付かない時、オレは写真の撮影やインタビューを拒否したりして面倒なことになってしまう。とにかく、オレはここにいられるんだっていうことと折り合いをつける必要があったんだ。そして、それにはかなりの時間がかかったんだ。またオレの怒りはだいたいにおいて、オレがその時間を必要としているんだってことに誰も理解を示してくれないことからきているんだ。時には自分の感情を表に曝け出してみたりしたけど、それでもわかってもらえなかった。
(1991 - Axl)

One In A Million

アルバム『GN'R Lies』に収録された一曲、One In A Millionの歌詞に使用されたいくつかの単語が大きな論争に。アクセルが実際に体験したことを元に、感情の昂ぶりをそのまま形にしたこの曲は、物議を呼ぶ結果となった。
W. Axl Rose
■ アクセルの弁。
"One In A Million"ってのは基本的に、オレ達は誰もが One In A Million、オレ達はみんなこの地球上に存在している。海の中の一匹の魚にすぎない。お互いにいがみ合うのはやめろ、オレのことは、ほっといてくれってことさ。

オレがポリスとニガーって単語を選んで使ったのは、ニガーって言うことを禁じられているからさ。黒人同士でお互いに「ニガー」って呼びかけても許されるのに、白人が使うと何でこんなに周りからとやかく言われるんだ? オレはあらゆる"境界線"が嫌いなんだ。他人にオレが言っていい事と悪い事を指図されるのは嫌だ。つまり、ニガーって言葉をあえて使ったのは、自分にとってやっかいな問題って意味だった。だから、単語そのものは黒人を指したわけじゃない。ジョン・レノンだって"Woman Is The Nigger Of The World"って歌ったじゃないか。N.W.A.、つまり Niggers With Attitude ってラップのグループがいる。でも彼らは誇りを持ってその言葉を使っている。

「Immigrants」
移民(Immigrants)って言葉を使ったのは、セブンイレブンやヴィレッジパントリーといったコンビニエンス・ストアやガス・ステーションで雇われているイラン人、パキスタン人、中国人、日本人、そういった連中に向けて使ったんだ。彼らは、まるでオレがそこに居てはいけないような態度で振舞うんだ。この間なんてスラッシュと、着ていた服装が気にくわないとかで出刃包丁持った2メートル弱のイラン人に店から追い出されたよ。死ぬかと思ったね。ともかくさ、こういうことがあって"移民"について書いたんだ。

「faggots」
18か19の頃、生まれて始めてLAに来ようとした。最初のヒッチハイクの旅で、ある男にそいつのホテルで休んでいけって言われたんだ。泊まりに行って目を覚ますと、そいつがオレのことをレイプしようとしたんだ。そいつを床に蹴り落としたんだけど、まだ向ってきてさ。で、ドアに向って駆け出すと追いかけてきたんだ。うまくドアと壁の間に挟み込んでやったんだけど、カミソリを持っていたからそれを出して「オレに触るんじゃねぇ! 触ろうと思うな! てめぇ自身に触れてオレのことを考えたりもするんじゃねぇ!」って叫んで荷物をつかんで飛び出した。行き先も寝るところも分からない、セントルイス郊外の名も無い所での出来事さ。だからこういうアティテュードを持ったんだ。
■ イジーも One In A Million について自分の考えを語っています。
何度もアクセルとそれについて話し合った。「オイ、そんなことをわざわざ言ってどうするんだよ。おまえだって元々は"移民"の一人なんだし、この国の人間は全員そうだ。それを歌うってことは、アメリカって国を否定していることになる。その中にはきっとホモもいるさ……。だけどおまえには関係無いことだろ?」ってね。アクセルはとても混乱しているんだ………。でもさ、これは所詮ロックンロールなんだよね。自分達の音楽に責任持てなんて誰にも言われる筋合いは無いし、優等生のお手本じゃないんだからさ。冗談じゃない。

("One In A Million"は人種差別について歌っているのは否定できないよね? Public Enemy や N.W.A.はそれを隠さずにいるけど。 との問いに)
N.W.A.の曲って聞いたことある? オレ達の"Welcome To The Jungle"や"One In A Million"とまったく同じ分野の主張をしているんだよ。なのにオレ達は白人だからってことで特別チェックが厳しくなる。

This is The Last GIG!?

W. Axl Rose
急激な成功、One In A Millionの論争、メンバーのドラッグ問題など、様々な問題がGN'Rを取り巻いていた中、バンドがL.A.コロシアムでRolling Stonesの前座を務めたとき、怒りを抑えきれなくなったアクセルの口から脱退宣言が飛び出す。

■ 1989年10月、L.A.コロシアム、ステージ上でアクセルが爆発。要因の一つは"One In A Million"に絡む人種差別問題。この曲に含まれる単語により、差別的だとする論争がアクセルをイライラさせていた。
アクセルは「黒人同士だってそう呼んでいるのに、どうしてオレが使うと”おとしめている”ってことになるんだ」と抗議したが、MTVアワードの司会役を務めた黒人タレントのアーセニオ・ホールは「"ニガー"は黒人同士が比喩的に使うときだけ許される言葉、あの歌では白人の奴隷主のように使っていた。今度アクセルに会ったら口のききかたを教えてやる」との声明を発表する事態に。

18日のステージでアクセルが「すべての黒人がニガーってわけじゃない」と発言したことを受けて、翌19日GN'Rの前にステージに立った Living Colour の Vernon Reid が「昨日のステージで気になる発言があった。黒人と問題が無い限りはニガーと呼ぶな」と抗議。21日は、これに応える形でアクセルが「オレ達がやているのは芸術であって、政治声明を発表しているわけじゃない。たった一回の出来事を歌っただけだ」と主張。
「オレは言いたいことは何だって言えるはずだ。これは表現だ。オレの感情だ。嫌なら最初から聞くんじゃない! 何がなんだかわからない。オレ達を生贄にしようっていうのか!? 近頃そういうバンドもいないしな。ガンズならちょうどいいのか? アクセルならピッタリなのか!?」とまくし立てた。

アクセルのイライラの要因の二つ目、ドラッグ問題。
初日である18日にアクセルが脱退宣言をしてしまう。「Mr. Brownstoneと踊るのを止めない限り、これがGN'Rとしての最後のショウになる」という意向を表明。アンコールの後、最後に「ステキな人生を送れよ!」とマイクを叩きつけてステージを去る。バックステージでは誰もアクセルに話かけられな状態。そんな時、たまたま遊びに来ていたDavid Lee Rothがなだめてくれたおかげで、多少は気持ちを落ちつかせたアクセル。

翌19日、スラッシュがスピーチ、「何年もの間、ロックンロールはたくさんの偉大な人物を失ってきた。このバンドとドラッグについて多くのことが書かれている。その多くはウソで、その多くは真実さ。昨晩はガンズ・アンド・ローゼズの最後のギグになるところだった。昨日の夜、オレには何のことか、わからなかった。ヘロインなんて関係無いさ、ガンズ・アンド・ローゼズはそんなことで解散するバンドじゃない」
アクセルは前日の言動を詫び「昨日の発言は早まったものだった。現時点でガンズ・アンド・ローゼズ解散の予定は無いよ。でもオレは、他の連中(スラッシュ、イジー、スティーヴン)のライフ・スタイルがもたらすものを、自分の引退表明というショック療法で自覚させたかった。オレは自分の友達がダメになっていくのを見たくなかっただけなんだ」と加えた。

バンドに近い筋によると「スラッシュのおばあさんが最近亡くなって、彼はえらく荒れていた。そのため、ずっとやめていた昔の悪癖、ヘロインに再び手を出してしまい、アクセルはそれがおもしろくなかったらしい。彼はステージに上がって「あいつにショックを与えてやろう」と思いつき、突然「これは最後のギグだ。このバンドにはMr. Brownstoneと踊っているやつがいるから」と言い出したんだ」 この事件のあと、スラッシュはクリニックに行くことに決めたという。

続 アクセル・ローズ発言集

Guns N' Roses は自分のためにやっているのであって、みんなのためにやっているわけでは無いんだ。自分のためにやっていることを、たまたまみんなが気に入ってくれただけさ。(1988)
(ラジオ局が長い曲をカット)
オレ達の曲以外でも、"Layla"のショート・ヴァージョンを聞くとさ、最後の見せ場のピアノのパートを期待しているときは、時に裏切られたって気にさせられる。"Sweet Child O' Mine"の編集されたやつは大嫌いだ。ラジオ曲の方は「まあヴォーカルはカットしていないけど」とか言ってるけどね。あの曲の気に入っているパートはスラッシュのソロで、オレにとっては一番大事なパートなんだ。ラジオ局のオーナー達が広告の金を稼ぐためにコマーシャルの時間を長くして曲を短くするなんて道理がどこにあるんだよ。
"Paradise City"の細切れになったヴァージョンとか"Sweet Child"、"Patience"の半分になったやつを聞くと情けなくなる。(1989)
(Use Your Illusion I&II)
ここまで強力な歌詞と強力なギタープレイが入っていたら、悪いけど聞き手に選択権は無いぜ。どういう経路を通るにしろ、人々の脳味噌にジワジワと染みこんでいく、そんな作曲だからね。バラードもあれば、容赦無い厳しい曲もある。そのうえイジーのドライなユーモア。(1991)
(アメリカ政府)
オレ達の政府は自由だの解放だのって口じゃ言ってるけど、世界や人々に対する自分達の影響力を保つためには、ありとあらゆる力を行使し、軍備を増強し、戦争を仕掛けることさえ何のためらいも無いんだ。生まれたその日から、オレ達は、オレ達の国がやっている圧政を支持するように教えこまれてきたけど、もういい加減変わるべき時期が来ていると思うよ。(1992)
(ニューアルバムについて)
もし待ってるなら…待つなよ。自分の人生を生きろ。(2002)

アクセル自らが 発声、特異なノド、ヴォーカル・スタイル について語る

W. Axl Rose
オレは賛美歌の「Amazing Grace」を全く違う10通りのパートで歌えるし、それに別々のアレンジをつけることも出来るんだ。これが出来るのも、昔教会の聖歌隊にいたおかげさ。

教室の右側にいる生徒がソプラノをやらなければならないとしたら、そこに行って別のパートを歌ったりして、よく教師を混乱させたよ。すごくおもしろかったね。とにかくオレは、一つのサウンドにとらわれるのが嫌だったんだ。ある時は子供のように、ある時は老人のようにって具合に、いろんな人格になれる。極端に分裂した人格の持ち主みたいだから、一つ一つの曲で全部違ったことが出来るんだ。(1987)
≫ LAでフレディ・マーキュリーやホイットニー・ヒューストンを手掛けるヴォイス・ティーチャーに指導を受ける。
オレってリハーサルをやらないんだよね。バンド結成以来5回ぐらいしかやったことないんじゃないかな。みんなアンプのヴォリュームをフルに上げてガンガン弾きまくるから、それに合わせて声を張りあげたりしたら、本番までに声が潰れちゃう恐れがあるし、常にそうした恐怖感が付きまとっているんだ。

いつも医者には診てもらっているし、空気清浄器とか加湿器とかいろいろなものを持ち歩いてはいるんだけど、なにせ気まぐれなノドだから。こんなにもいろんな歌い方をするやつもいないだろうし。(1988)
オレの歌い方って、自然にいろんなスタイルを持ち合わせているけど…… いろんなスタイルを追求するのは、人々を喜ばせるためではなくて、自分がその曲から感じるものをそのままヴォーカル・スタイルで表現しようとしているからなんだ。
オレはツアーという行為が今でも怖いんだ。世界中には数多くのバンドがいて、その中にまた同じ数のヴォーカリストがいるとはいっても、きっとオレみたいな特殊なトラブルを抱えたやつはまずいないだろう。
その昔ボン・スコット(AC/DC)という男がいたよね。彼は何日も何日も何のトラブルも無くあの声で歌うことが出来たけど、それは彼の声が元々高くてスクラッチーだったからなんだ。もしオレが彼と同じことをやろうとすれば、すぐにノドを痛めて5日程度でダメになってしまう。お聞きの通り、オレの声は低いからね。
Nazarethのダン・マッカファティも毎晩歌えるというけど、彼はスコットランド人だから元々ダミ声なんだよ(笑) ブライアン・ジョンソンもそう。…とにかくオレは彼らとは違う。オレの声が根本的に違うんだってことを周りのスタッフに分からせるのも大変な苦労なんだ。(1988)